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病理診断科

概要

病理診断科

病理診断科は、病理学に基づいて、病気の方々に貢献する診断科です。 病理学 (Pathology) という言葉は古代ギリシャ語のpathos(病)とlogos(学問)という言葉からできています。 名の表すとおり、近代医学において、病気の原因を研究する学問であり、そこから細菌学、寄生虫病学など多くの研究分野が分離していきました。 野口英世も今では、細菌学者といわれますが、病理学の使徒であり、京都帝国大学医学部病理学教室から学位を受けています。 彼の細菌学における研究成果はすべて否定されていますが、病理学における成果は、今も否定されていません。 その1つが、梅毒研究におけるスピロヘータの染色法(パーカーインク法)です。少々話が逸れましたが、このように、病理学から多くの分野が分かれ、病理学は、次第に病理解剖および顕微鏡による観察に基づく疾患の解明を基盤とした学問となってきました。 現在、病理学は、実験病理学、診断病理学(人体病理学)に大きく分かれますが、病院に関わるのは、診断病理学です。 そのようなことから「病理は、基礎と臨床を結びつける学問である。」とも言われます。

診療内容

病理診断は、実際何をしているのでしょうか。
それは、大きく分けて次のとおり5つになります。

  • 生検診断(生検、Biopsy)
  • 手術標本の診断
  • 術中病理診断
  • 細胞診
  • 病理解剖

また、臨床医から出された検体は、すべて、病理検査室で臨床検査技師により標本作製(顕微鏡で観察できるスライドを作製)されます。 細胞診を除く多くの病理検査は、検体をホルマリンで固定した後に組織の水分をパラフィンに置き換えたパラフィンブロックを造って薄切・染色するという工程をとりますので、ある程度時間が掛かります。 細胞診は、アルコール固定後、染色を行います。細胞診以外は、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色、細胞診は、パパニコロウ染色が行われます。 さらに必要であれば特殊染色、免疫染色などで染色したのちに最終診断を下します。

上記、5つの診断についての詳細は次のとおりです。

1.生検診断(生検、Biopsy)
生体組織診断(生検)は病変部の診断のため身体組織の一部を採取し病理診断を行うことです。 バイオプシー (biopsy)とも呼ばれます。病変部が小さい場合は生検によって病変全体が採取されることもあります。 がんの診断においては生検が最終診断となることもあります。時には、スクリーニングを目的にする場合もあります。 例えば内視鏡検査で胃に病変が見つかった場合には内視鏡下でその部分の組織を一部採取し、その後、病理診断を行います。 採取する臓器名称を付けて胃生検と呼ばれます。 主に、癌の有無を問うことが多いですが、ピロリ菌の研究が進み、ピロリ菌の有無、胃炎の程度なども詳細に判定するようになってきました。
2.手術標本の診断
切除された臓器の検索の場合、手術組織病理診断と呼び生検とは区別されます。 手術で摘出した臓器や組織から標本を作製して治療方針の決定のために病気の診断の確定、進行度等を調べます。 多くはこれが、病変の最終診断となります。生検と異なり、固定時間がかかりますので、時間を要します。 日本国内では、多くの臓器は、「癌取扱い規約」が、臨床、病理の専門家の意見集約の下、決められ、それに沿って取扱い、診断、記載がなされます。 病変部の切り出し方にも規定があり、多数の標本作製が必要となることもあります。 早期胃癌の場合、胃全体を切り出す必要が出ますと、200枚近い標本を作製することもあります。 顕微鏡で観察した組織学的診断として、組織型(癌の構成する形、分化度等から決められる)、深達度ないし広がり、脈管浸襲(血管、リンパ管の中へ癌細胞が入っているかどうか)、断端(癌がすべて取り切れているかどうか)等を診断します。 腫瘍によっては、細胞の異型度、細胞分裂数なども記載します。化学療法、放射線療法後の検体であれば、その効果の有無も判定します。 また、現在では、特定の性格を有した腫瘍は、それに効く抗がん剤が出てきておりますので、その判定のために、遺伝子、たんぱく質発現を、抗体を用いた免疫染色やin situ hybridizationにより、判定します。
3.術中病理診断
迅速病理診断とも呼ばれます。手術中に病名(特に腫瘍の組織型)の診断が必要な場合や病変の完全切除のために進行、浸潤度を知る必要のために行います。 手術中、組織を採取して病理部門にて検査を行い、腫瘍の切除範囲は十分であるか、転移の有無、腫瘍の良性悪性判定等の術式決定に関わる情報を提示します。 通常の病理標本作製工程では時間が掛かり、手術中に間に合いません。そのため検体を液体窒素等で凍結させ、薄切し、標本を作製します。 この方法は、短時間に必要な情報が得られますが、凍結時に細胞が破壊される等のために顕微鏡標本の出来は通常の標本より劣ります。 このため良悪の判定が難しい場合もあります。腹水、胸水の術中迅速細胞診も行われ、腹膜、胸膜への癌の播種を診断することも行っています。
4.細胞診
子宮癌検診でよく知られていますが、この他にも痰、尿、分泌物など、全ての細胞を含む検体について行うことができます。 検査対象は個々の細胞であり標本に含まれる細胞の異型度や分化度などの特徴を捉えて診断します。 患者の負担は比較的軽い検査であり病気のスクリーニングに用いられます。細い針で穿刺して注射器で検体を吸引するもあります。 標本作製後、細胞診スクリーナーの資格を持つ技師がスクリーニング後、陰性検体は、そのまま診断結果として出されます。 疑陽性以上の検体を細胞診専門医が診断します。診断結果は、臓器により多少異なりますが、ベセスタ分類や陰性/疑陽性/陽性等で判定が記載されます。 病変の存在推定などが可能であるため重要な検査方法のひとつとなっていますが、基本的位置づけは、スクリーニングです。 組織診断は、細胞診断と異なり、組織構築等、より詳しく観察できるので細胞診結果を確定するために生検が行われます。
5.病理解剖
剖検として、病理解剖、司法解剖、行政解剖がありますが、病理解剖の主目的は、死因、病変、病態の究明であり、亡くなった患者さんを解剖し、総合的に診断します。 必要に応じて諸臓器から組織を採取し、作製した標本を顕微鏡で観察します。病理解剖は、施行した治療の有効性の確認や、臨床経過中に生じた疑問の解明を目的に、遺族の同意のもとに行われます。 解剖ゆえ、得られるのは形態的な情報のみであり、必ずしも病因が明らかになるわけではないが、生前には分からなかった情報(例えば潜在癌occult cancer = 生前には存在を認知されず、死後、解剖などにより明らかになった癌)が得られたり、臨床上の疑問点も多くが解明されます。

これらの診断は、臨床医とのコミュニケーションの上で診断し、この後も症例検討会を行って、臨床と病理互いの診断クオリティの向上に努めております。

スタッフ紹介

氏名 職務 専門分野、学会認定等 所属学会
杉江 茂幸 教授 認定病理医、細胞診専門医、
FIAC、臨床検査専門医、
毒性病理専門家
日本病理学会、日本臨床細胞学会、
日本臨床検査医会、毒性病理学会、
日本がん学会、日本がん予防学会、
AACR(米国癌学会)、
IAC(国際細胞学会)
富田 弘之 (非常勤) 病理診断  
金山 知弘 (非常勤) 病理診断  
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